【塗料の艶で印象激変】艶あり・半艶・艶消しの違いとは?プロが教えるメリット・デメリットと選び方
外壁塗装で色を決める際、実はもう一つ、家の印象を大きく左右する重要な選択肢があることをご存知でしょうか。それが、塗料の「艶(つや)」の度合いです。
同じ色でも、ピカピカと光沢のある「艶あり」と、しっとりと落ち着いた「艶消し」では、仕上がりの雰囲気は全く異なります。この艶の選択は、単なる見た目の好みだけでなく、塗料の耐久性や汚れにくさにも関係してくる、非常に奥が深い要素なのです。
このコラムでは、塗料の艶の種類とそれぞれのメリット・デメリット、そしてご自宅のスタイルに合わせた最適な艶の選び方を詳しく解説します。
艶の種類は主に5段階
塗料の光沢度は、光を反射する割合(光沢率)によって、一般的に以下の5段階に分けられます。
- 艶あり(全艶): 光沢率70%以上。最もピカピカとした光沢がある状態。
- 7分艶: 光沢率55~65%程度。艶ありより少し光沢を抑えた状態。
- 5分艶(半艶): 光沢率30~40%程度。艶ありと艶消しの中間。
- 3分艶: 光沢率10~20%程度。ほんのりと艶を感じる程度。
- 艶消し(マット): 光沢率5%以下。光沢がほとんどない状態。
これらの艶は、塗料に「艶調整剤(フラットベース)」という添加剤を混ぜることで調整されます。
艶の段階は、それぞれ塗料(商品)により基本的には決まっています。
艶の有無によるメリット・デメリット
艶の度合いによって、見た目以外にも様々な違いが生まれます。
「艶あり」塗料のメリット・デメリット
- メリット:
- 高い耐久性: 艶調整剤を混ぜないため、塗料本来の性能(耐候性)を最も発揮できます。
- 汚れにくい: 塗膜の表面がツルツルしているため、汚れが付着しにくく、雨で汚れが流れ落ちやすい(低汚染性)という特徴があります。
- 新築のような輝き: 光沢があり、外壁が明るく華やかな印象になります。
- デメリット:
- 光沢が強すぎる: 周辺の景観や家のデザインによっては、光沢がギラギラして安っぽく見えたり、落ち着きがない印象になったりすることがあります。
- 光沢は永久ではない: 経年劣化により、艶は徐々に失われていきます(通常2~3年で落ち着いてきます)。
「艶消し」塗料のメリット・デメリット
- メリット:
- 落ち着いた高級感: しっとりとしたマットな質感で、和風住宅やモダンなデザインの家に調和し、高級感を演出します。
- デザイン性を損なわない: 塗り壁(モルタル)やサイディングの凹凸など、素材の風合いを活かすことができます。
- デメリット:
- 耐久性がやや劣る: 艶調整剤を混ぜることで、塗膜の強度がわずかに低下する傾向があります。
- 汚れやすい: 塗膜の表面に微細な凹凸があるため、汚れが付着しやすく、一度付くと落ちにくい場合があります。(※近年は艶消しでも汚れにくい塗料が開発されています)
最適な艶を選ぶための3つのポイント
では、どのように艶を選べば良いのでしょうか。
1. 耐久性と汚れにくさを重視するなら「艶あり」~「5分艶」
メンテナンスの手間や、次回の塗り替えまでの期間をできるだけ長くしたい、という実用性を重視する方には、塗料の性能をしっかり発揮できる「艶あり」や、光沢を少し抑えた「7分艶」「5分艶(半艶)」がおすすめです。
2. デザイン性と落ち着いた雰囲気を重視するなら「3分艶」~「艶消し」
和風住宅、デザイナーズ住宅、塗り壁の風合いを活かしたい場合など、外観の意匠性を大切にしたい方には、「3分艶」や「艶消し」が適しています。周囲の街並みとの調和も取りやすいでしょう。
3. 大きな塗り板サンプルで確認する
色選びと同様に、艶の度合いも小さな見本で見るのと、壁全体で見るのとでは印象が大きく異なります。必ずA4サイズ以上の大きな「塗り板」を取り寄せ、屋外の太陽光の下で、様々な角度から光の反射具合を確認することが、失敗を防ぐ最も確実な方法です。
まとめ:機能とデザインのバランスで最適な選択を
塗料の艶選びは、お住まいの美観と機能性の両方に関わる重要な決定です。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、ご自身のライフスタイルや価値観、そしてお住まいのデザインに合ったものを選びましょう。
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