【金属外壁の塗装】サビは放置厳禁!ガルバリウム・トタン壁のメンテナンス時期と費用のポイント
スタイリッシュでモダンな印象を与える「金属サイディング(ガルバリウム鋼板など)」は、近年の新築住宅で人気が高まっています。また、工場や倉庫、昔ながらの家屋では「トタン」も現役で使われています。
これらの金属製の外壁は、耐久性が高くメンテナンスが楽だというイメージがあるかもしれません。しかし、金属である以上、最大の敵である「サビ」からは逃れられません。一度サビが発生すると、その進行は早く、放置すれば壁に穴が開いて雨漏りを引き起こすなど、深刻な事態に繋がります。
このコラムでは、金属外壁の代表格であるガルバリウム鋼板とトタン壁に焦点を当て、特有の劣化症状と、その寿命を延ばすための適切な塗装メンテナンスについて解説します。
金属外壁の種類と特徴
ガルバリウム鋼板
アルミニウム、亜鉛、シリコンから成るメッキで鋼板を覆った素材。現在、金属サイディングの主流です。
- メリット: 非常に錆びにくく、耐久性・耐熱性に優れる。軽量で建物への負担が少ない。
- デメリット: 傷が付くと、そこから錆が発生しやすい。塩害(沿岸部)にも比較的弱い。
トタン(亜鉛めっき鋼板)
鋼板を亜鉛でメッキしたもの。かつては広く使われていました。
- メリット: 価格が安く、施工しやすい。
- デメリット: ガルバリウム鋼板に比べて錆びやすく、寿命が短い。
金属外壁の塗装が必要な劣化サイン
赤サビ・白サビ
- 赤サビ: 表面のメッキ層が傷つき、中の鋼板が錆びている危険な状態。放置すると壁に穴が開きます。
- 白サビ: 表面の亜鉛メッキが酸化して発生する白い斑点状のサビ。赤サビの前兆であり、メンテナンスを検討すべきサインです。
チョーキング現象
手で触ると白い粉が付く状態。塗膜の防水機能が低下しているサインです。金属外壁も塗装で保護されているため、この現象が起きます。
塗膜の膨れ・剥がれ
塗膜と金属板の間に水分が入り込むことで発生します。剥がれた部分から一気にサビが広がるため、早急な対処が必要です。
金属外壁の塗装で最も重要な「ケレン作業」
金属外壁の塗装工程で、仕上がりと耐久性を最も左右するのが**「ケレン」**と呼ばれる下地処理作業です。
ケレンとは、サンドペーパーや電動工具(サンダー)などを使って、既存のサビや古い塗膜を徹底的に除去する作業のことです。この作業を丁寧に行うことで、新しい塗料(特に錆止め塗料)が金属面にしっかりと密着し、サビの再発を防ぎます。
ケレン作業が不十分なまま塗装をしても、残ったサビの上から塗ることになるため、すぐにサビが浮き出てきてしまい、塗装が意味をなさなくなります。見積書に「ケレン」や「下地処理」の項目がきちんと記載されているか、必ず確認しましょう。
金属外壁の塗装工程と「錆止め塗料」
金属外壁の塗装は、通常以下の工程で行われます。
- 高圧洗浄: 表面の汚れやチョーキングの粉を洗い流す。
- ケレン作業: サビや古い塗膜を除去する。
- 錆止め塗装(下塗り): ケレン後の金属面に、サビの発生を抑制する専用の「錆止め塗料」を塗布する。これが非常に重要です。
- 中塗り(上塗り1回目): お客様が選んだ色の塗料を塗る。
- 上塗り(仕上げ): 仕上げにもう一度同じ塗料を塗り、塗膜に厚みを持たせて美観と耐久性を高める。
メンテナンスのタイミングと費用の目安
- タイミング: チョーキングや軽微なサビが見られたら検討時期です。一般的に、トタンは5~10年、ガルバリウム鋼板は10~20年が目安ですが、沿岸部など環境によって大きく異なります。
- 費用: 使用する塗料にもよりますが、一般的なシリコン塗料を使用した場合、30坪の家で80万円~120万円程度が相場となります。サビの進行が激しく、ケレン作業に手間がかかる場合は、費用が割高になる傾向があります。
まとめ:早めのメンテナンスが、金属外壁を長持ちさせる鍵
金属外壁は、サビが発生する前の、塗膜が健全なうちにメンテナンスを行うことが、最も美しく、そして経済的に長持ちさせる秘訣です。サビが広範囲に広がってしまうと、大掛かりなケレン作業や、場合によっては壁材自体の交換(カバー工法や張り替え)が必要になり、費用が跳ね上がってしまいます。
もし、ご自宅の金属外壁にサビや塗膜の剥がれを見つけたら、手遅れになる前に専門家にご相談ください。私たちMAXリペイントは、金属外壁の塗装実績も豊富です。サビの状態を正確に診断し、最適なケレン方法と錆止め塗料を選定することで、お客様の大切なお住まいをサビの脅威から守ります。