【プロはこう見抜く】雨漏りの原因は屋根だけじゃない!外壁からの浸水を特定する調査方法とは
天井にシミができた、窓枠から雨水が垂れてくる――。大切なお住まいで「雨漏り」のサインを見つけた時、多くの方はパニックになり、「すぐに屋根を直さなければ!」と考えるかもしれません。
しかし、雨漏りの原因は、必ずしも屋根にあるとは限りません。外壁のひび割れ、シーリングの劣化、ベランダの防水層の破れ、さらにはサッシ周りの隙間など、雨水の侵入経路は実に様々で、原因の特定はプロでも非常に難しい作業です。
安易な憶測で部分的な補修を行っても、原因が違えば雨漏りは止まらず、無駄な費用がかさむだけです。このコラムでは、雨漏りを根本的に解決するために、プロがどのように原因を特定していくのか、その調査方法について詳しく解説します。
なぜ雨漏りの原因特定は難しいのか?
雨水は、建物の内部に入り込むと、柱や梁、断熱材などを伝って、浸入口とは全く違う場所に染み出してくることがよくあります。「2階の天井から漏れているから、その真上の屋根が原因だ」とは限らないのです。
また、普段の雨では漏らないのに、台風のような横殴りの強い雨の時だけ漏る、というケースも多く、再現性が低いことも原因究明を困難にしています。
プロが行う雨漏り調査の主な手法
原因を正確に突き止めるため、専門家は以下のような調査を組み合わせて行います。
1. 目視調査
全ての基本となる調査です。専門家が長年の経験と知識を元に、雨漏りの可能性がある箇所を徹底的にチェックします。
- 屋根: 瓦の割れやズレ、棟板金の釘の浮き、谷樋の穴あきなどを確認。
- 外壁: ひび割れ(クラック)の幅や深さ、シーリングの劣化状態、塗膜の膨れなどを確認。
- ベランダ・バルコニー: 防水層の亀裂や膨れ、排水口(ドレン)の詰まりなどを確認。
- サッシ周り: シーリングの劣化や、外壁との取り合い部分の隙間を確認。
- 室内: 天井裏や壁の内部を確認し、雨水の通り道(雨染み)を探します。
2. 散水調査
最も確実性の高い調査方法の一つです。雨漏りの原因と疑われる箇所に、ホースなどで水をかけ、雨の状況を人工的に再現します。 原因箇所に水が当たると、数分から数時間で室内に雨漏りが再現されるため、侵入経路を特定することができます。非常に根気のいる作業ですが、原因をピンポイントで特定できる可能性が高いです。
3. 赤外線サーモグラフィー調査
建物の表面温度を色で可視化する特殊なカメラ(サーモグラフィー)を使って、雨水が侵入している可能性のある箇所を探す調査です。 雨水が浸入している部分は、水の気化熱によって周囲よりも温度が低くなるため、その温度差を検知して異常を発見します。建物を傷つけることなく、広範囲を調査できるのがメリットです。
4. 発光液調査
紫外線(ブラックライト)を当てると発光する特殊な液体を、疑わしい箇所に流し込み、雨漏りしている箇所の天井裏などから紫外線を当てて、液体がどこから侵入してきているかを確認する方法です。水の通り道を正確に特定するのに役立ちます。
「とりあえずシーリング」は危険!
雨漏りの相談をすると、「怪しいところをシーリングで埋めておきましょう」と安易な提案をする業者がいますが、これには注意が必要です。もし、そこが本当の原因でなかった場合、雨水の出口だけを塞いでしまうことになりかねません。
出口を失った雨水は、壁の内部で滞留し、構造材の腐食をさらに深刻化させる危険性があります。まずは正確な原因究明こそが、雨漏り解決の最短ルートなのです。
まとめ:雨漏りは、建物の専門医による正確な診断から
雨漏りは、放置すれば建物の寿命を大きく縮める深刻な病気です。そして、その治療は、人間と同じように、正確な「診断」から始まります。複数の調査方法を駆使して、粘り強く原因を突き止めてくれる、信頼できる「建物の専門医」を見つけることが何よりも重要です。
私たちMAXリペイントには、雨漏り診断の豊富な経験と専門知識を持つ「外装劣化診断士」が在籍しております。最新の調査機器も活用しながら、お客様のお住まいを蝕む雨漏りの根本原因を徹底的に究明し、最適な解決策をご提案いたします。福岡、佐賀、熊本エリアで原因不明の雨漏りにお悩みでしたら、手遅れになる前にぜひご相談ください。