【外壁材の種類別】サイディング・モルタル・ALC|我が家に最適な外壁塗装とメンテナンス法
「うちの壁は、どんな塗料が合うんだろう?」 外壁塗装を成功させるためには、塗料の性能だけでなく、ご自宅の外壁材の種類と状態に合ったメンテナンスを行うことが非常に重要です。人間の肌質に合う化粧品がそれぞれ違うように、外壁材にもそれぞれ特性があり、相性の良い塗料や注意すべき劣化症状が異なります。
このコラムでは、日本の戸建て住宅で主流となっている「窯業系サイディング」「モルタル」「ALC」という3つの外壁材に焦点を当て、それぞれの特徴と最適なメンテナンス方法を解説します。
目次
【主流No.1】窯業系(ようぎょうけい)サイディング
セメント質と繊維質を主原料とし、板状に成形した外壁材です。現在の新築戸建ての約8割で採用されています。
- 特徴: デザインが豊富で、耐火性・耐久性に優れる。工場生産のため品質が安定している。
- 注意すべき劣化症状:
- シーリング(コーキング)の劣化: ボードの継ぎ目にあるシーリングは、壁本体よりも早く劣化します(耐用年数5~10年)。ひび割れや肉やせを放置すると、雨漏りの直接的な原因になります。
- チョーキング現象: 手で触ると白い粉が付く状態。塗膜の防水性が失われ始めているサインです。
- 反り・浮き: 塗膜が劣化し、ボード自体が水分を吸収・乾燥を繰り返すことで発生します。
- 最適なメンテナンス:
- 塗装工事の際は、**シーリングの「打ち替え」**が必須です。
- 塗料は、シリコン、ラジカル、フッ素など幅広い選択肢から選べます。デザイン性を活かしたい場合は、既存の模様を残せる**「クリア塗料」**も選択できますが、劣化が進んでいない状態でのみ施工可能です。
【伝統的な壁】モルタル
砂とセメントと水を混ぜて練り上げた材料を、職人が現場で塗りつけて仕上げる外壁材です。継ぎ目のない、重厚感のある仕上がりが特徴です。
- 特徴: 継ぎ目がないため、デザインの自由度が高い。独特の風合いと高級感がある。
- 注意すべき劣化症状:
- ひび割れ(クラック): モルタル壁最大の弱点。乾燥収縮や建物の動きで発生しやすいです。幅0.3mm以上の構造クラックは、雨水が侵入する危険なサインのため、早急な補修が必要です。
- チョーキング現象、カビ・コケの発生。
- 塗膜の膨れ・剥がれ: ひび割れから侵入した水分が原因で発生することが多いです。
- 最適なメンテナンス:
- 塗装前のひび割れ補修が最も重要な工程です。
- 細かなひび割れ(ヘアークラック)が多い場合は、塗膜が伸び縮みしてひび割れに追従する**「弾性塗料」**が適しています。
- 仕上げの模様(リシン、スタッコ、吹き付けタイルなど)によって、必要な塗料の量や種類が変わります。
【軽量で高機能】ALCパネル
軽量気泡コンクリート(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)の略。内部に気泡が無数にあり、軽量で断熱性や耐火性に優れています。
- 特徴: 断熱性、耐火性、遮音性が高い。非常に軽量で、建物への負担が少ない。
- 注意すべき劣化症状:
- シーリング(コーキング)の劣化: ALCパネル自体は防水性が低く、塗膜とシーリングによって防水性を保っています。そのため、シーリングの劣化は致命的です。
- 塗膜の劣化: 塗膜が劣化すると、ALCパネルが直接水分をスポンジのように吸収してしまい、冬場には内部の水分が凍ってパネル自体が脆くなる「爆裂」を引き起こす危険性があります。
- 最適なメンテナンス:
- 窯業系サイディング同様、**シーリングの「打ち替え」**が非常に重要です。
- 防水性の高い塗料を選ぶことが重要で、湿気を逃がす「透湿性」を併せ持つ塗料が望ましいとされています。
まとめ:ご自宅の“個性”を知ることが第一歩
いかがでしたでしょうか。ご自宅の外壁材がどれに当たるか、そしてどのような弱点を持っているかを知ることが、適切なメンテナンス計画を立てるための第一歩です。わからない場合は、家を建てた際の図面を確認したり、専門家に見てもらうのが確実です。
私たちMAXリペイントでは、様々な外壁材の特性を熟知した「外装劣化診断士」が、お客様のお住まいに最適な補修方法と塗料をご提案します。福岡、佐賀、熊本エリアで、ご自宅の壁の種類がわからずメンテナンスにお悩みでしたら、ぜひ一度、私たちの無料診断をご利用ください。